UNIQUE VENUES OF JAPAN 2024 Spring イベントレポート

バリューマネジメント株式会社は2024年5月17日、京都の特別なユニークベニューを体験するイベント「UNIQUE VENUES OF JAPAN 2024 Spring」を開催しました。

 

今回のユニークベニューは、東山のシンボル“八坂の塔“を擁する法観寺(通常非公開)と、大正期の邸宅を改装したアカガネリゾート京都東山1925の2か所。約30名のMICE業界関係者が体験した高付加価値なユニークベニューのリアルな魅力をレポートします。

 

<目次>
1.アカガネリゾート京都東山1925

2.通常非公開「法観寺 八坂の塔」での特別体験

2-1.法観寺 副住職による講話

2-2.「リピート客の満足度が上がる新たな可能性」

2-3.「優越感をかき立てられるSNS映えスポット」

2-4.「富裕層に響くプライスレスな体験」

 

1.アカガネリゾート京都東山1925

 

京都東山はコロナ禍以前を上回るにぎわい

 

葵祭の余韻が残る5月中旬、京都東山の産寧坂近くに佇む大正期の邸宅「アカガネリゾート京都東山1925」に約30名のMICE業界関係者が集まりました。産寧坂は、祇園新橋・嵯峨鳥居本・上賀茂と並んで国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、京都の中でも特に歴史的価値の高い建造物や寺社が立ち並ぶエリア。そのため国内外から多くの観光客が訪れ、にぎわいを見せています。

 

京都市観光協会の調べによると、2024年3月に京都を訪れた観光客数は国内・海外ともにコロナ禍以前の2019年を突破。外国人比率は過去2番目に高い水準で、日本人来街者指数は2019年当時の水準を4か月連続で上回りました*。

 

筆者は大阪から約1年ぶりに京都を訪れましたが、昨年よりはるかに多い観光客の数に驚きました。キモノ姿で散策する外国人カップルや立ち止まって写真を撮る人びとが狭い路地にあふれ、その隙間をタクシーや人力車が器用に走り抜けていきます。人波をかき分るようにして、ようやく本日1つ目のユニークベニュー「アカガネリゾート京都東山1925」に辿り着きました。

 

*出典:京都市観光協会データ月報(2024年3月)

 

700坪の森に癒される、京都東山の隠れ家

 

重厚な門構えの正門をくぐると風格ある佇まいの邸宅が。「アカガネリゾート京都東山1925」は、江戸時代より約250年続く銅加工メーカーのオーナーが大正14年(1925年)に建てた私邸をリノベートしたレストラン&バンケットです。伝統的な純和風建築で、屋根や雨樋などいたるところにあしらわれた銅(アカガネ)が100年の時を経て青銅色の深みを醸し出しています。

 

母屋の奥へ進むと、そこには竹林が生い茂り小川が流れる庭園が広がっています。外からは予想もつかないほど広大な約700坪もの庭園は、東山の傾斜を活かして立体的に造形されており、庭園というより森と表現したくなるほど。森の中には外の喧騒がいっさい届かず、小川のせせらぎや鳥のさえずる音色に癒されます。ここはまさしく“京都東山の隠れ家”。信じられないほどの静寂と豊かな自然によって慌しかった心が鎮まり、2つ目のユニークベニューを楽しむ準備が整いました。

 

2.通常非公開「法観寺 八坂の塔」での特別体験

 

「アカガネリゾート京都東山1925」を右へ出て、1つ目の角を左へ曲がると短い坂の上にそびえ立つ五重塔が。京都東山の風景に欠かせない名所“八坂の塔”です。全長46メートル、写真や映像で観るよりもはるかに大きな存在感に圧倒されて見上げていると、「閉門中」の札を掲げた法観寺入口で副住職の浅野俊道さんが出迎えてくださいました。こちらが本日2つ目のユニークベニュー体験。通常非公開の法観寺境内で講話をいただき、“八坂の塔”内部を特別拝観します。

 

2-1.法観寺 副住職による講話

 

“八坂の塔の語り部”と旅する東山1400年の歴史

 

法観寺の創建は589年、第31代・用明天皇の第2皇子・聖徳太子が如意輪観音のお告げによりこの地に五重塔を建てて3粒の仏舎利を納め、「法観寺」と名付けたという寺伝によるもの。五重塔は落雷や戦禍による焼失と再建を経て1440年、室町幕府6代将軍・足利義教によって再建されたのが現在の五重塔で重要文化財です。そんな法観寺と五重塔1400年の悠遠な歴史を、一気に旅することができるのが副住職による講話です。

 

これから体験される方のために詳しい描写は控えますが、この講話が並々ならぬ面白さなのです。一般的に“住職のお話”というと仏教の教えを説く法話というイメージがあるかと思いますが、さにあらず。1400年の間に“八坂の塔”に起こったさまざまな出来事を、まるで昨日のことのようにビビッドに語ります。登場人物も多彩で、源頼朝や織田信長といった将軍から庶民まで大勢の人と五重塔とのエピソードが飛び出します。講話というより落語を聴いているかのように軽妙な語りも面白く、聴衆に笑い声が絶えませんでした。

 

2-2.「リピート客の満足度が上がる新たな可能性」

 

副住職の講話について、東山の老舗ホテル関係者は「京都人も知らない歴史のストーリーテラー」と絶賛。「私は生まれも育ちも京都ですが、”八坂の塔”の歴史には詳しくなかったので今日はとても貴重な体験でした。副住職のユニークな講話のおかげで歴史が一気にわかり、意味をもって五重塔を拝観できました」(ホテル関係者)

 

同ホテルではリピート客から「人のいない、素晴らしいところはないですか?」と尋ねられることもあるそう。観光客の多い京都においてお客様の満足度を上げられる新たな可能性を、法観寺というユニークベニューに感じたと言います。

 

2-3.「優越感をかき立てられるSNS映えスポット」

 

講話の終盤では、五重塔内を拝観する際に見るべき複数のポイントを副住職が教えてくださいました。その1つに“塔の中から夢見坂を見下ろせる小窓”がありますが、イベント代理店関係者は「最高のSNS映えスポット」と指摘。「小窓から手を振ってみたら、坂を埋め尽くす観光客が気づいて手を振り返してくれたんです。このアングルで撮れる写真は特別なのでSNSにアップしたくなります」(イベント代理店関係者)

 

あの有名な“八坂の塔”の中に入れる特別感、しかも写真撮影OKとなると優越感をかき立てられます。「日本人が知らないニッポンがここにあった、という感じ。企業のインセンティブ旅行などをプランニングして若い世代にも広くPRしたい」と意気込んでいました。

 

 

※ 画像は法観寺の境内から夢見坂(別称:八坂通り)を覗いた風景。五重塔内にある”小窓”は、これよりも高い視点から坂一面を見下ろせる。実際の様子は、特別拝観を体験してからのお楽しみだ。

 

2-4.「富裕層に響くプライスレスな体験」

 

「“八坂の塔”は京都のシンボルなので塔を背景に写真を撮る観光客は大勢いますが、その塔の中に入れるだなんてプライスレスな体験です。副住職のお話もとても面白く、特別拝観の価値を底上げしていると感じました」と語るのは富裕層向け旅行代理店の関係者。今回のユニークベニュー体験を通して「特別感がすごい」と実感したため、高付加価値な体験を求める富裕層に提案したいと言います。

 

 

このように参加者が思い思いにユニークベニュー体験をしたあとは、塔のそばでアペリティフパーティーを楽しみました。初夏の爽やかな夕暮れの境内で、グラス片手に談笑する参加者の輪の中心には笑顔の副住職も。ふと視線を感じて垣の外を見ると、興味深そうにこちらを眺める大勢の観光客の姿がありました。

 

総評

 

2024年5月17日に開催した、京都東山のユニークベニュー体験のレポートをお届けしました。通常非公開のユニークベニュー「法観寺」では副住職の講話を楽しみ、“八坂の塔”として有名な五重塔(重要文化財)の内部を特別拝観することができます。五重塔は二層目まで上ることができますが急傾斜の梯子段を使うため、歩きやすい靴と服装でお出かけください。また、境内の枯山水庭は足立美術館の作庭で知られる故・中根金作氏の手によるもので、秋には紅葉・黄葉が素晴らしい情景を楽しむことができます。

 

「法観寺」より徒歩すぐの「アカガネリゾート京都東山1925」は、森のような庭園に囲まれた大正期のユニークベニュー。観光地の喧騒が届かない静かなレストランやバンケットで、コンセプトに合わせてパーティーやMICEをプランニングすることができます。実際にこの日のラストには参加者の交流会を開催。四季がある日本ならでは食材の旬を活かした和フレンチを楽しみながら、法観寺でのユニークベニュー体験を共有した素晴らしいひとときでした。

 

2つのユニークベニュー体験に共通して言えるのは、京都にあって他の観光客を気にせず個人のペースで、ゆっくりと歴史と伝統文化に触れられるということ。そういった豊かな体験からくる唯一無二の感動こそが顧客満足度を高め、新たなベニュー体験へのリクエストに繋がるーーそんな確信を、参加者のみなさまの声から得ることができました。

 

「UNIQUE VENUES OF JAPAN」では今後も、わが国が誇るユニークベニューの開発と活用促進に取り組んでまいります。

 

 

<イベント概要>
開催日:2024年5月17日(金)
場 所:法観寺、アカガネリゾート京都東山1925

主 催:VMG HOTELS & UNIQUE VENUES
(バリューマネジメント株式会社)

 

<プログラム>
15:45~16:00 受付
16:00〜16:10 ご挨拶

 

<法観寺 五重塔>
16:15〜16:55 法観寺にて特別体験
・通常非公開の境内見学
・副住職による法話
・アペリティフパーティー

 

<アカガネリゾート京都東山1925>
17:05〜18:30 交流会

 

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