歴史的建造物の保全に繋がる新たな活用法

 


目次

  1. 歴史ある建物を「保全」していくことの難しさ
  2. ユニークベニューで歴史的建造物を未来へつなぐ
  3. ユニークベニューズ・オブ・ジャパン

 

 

歴史ある建物を「保全」していくことの難しさ

時代と共に変わりゆくまちなみ、現在、日本らしさを私たちに感じさせる文化財といった歴史的建造物たちが次々と取り壊され、存続の危機に立たされています。日本の有形文化財の制度においては、価値に応じて登録有形文化財<重要文化財<国宝と定めて保存・活用を行っていますが、その中でも「登録文化財」と認定されたものに関しては、2015年辺りから築50年が経過して一定の評価を得たものは取り壊しが相次いでいるというデータがあります。では、どうして今伝統ある建物が失われつつあるのでしょうか。

大きな理由は二つあります。一つ目は、過疎化や地域住民の高齢化等により文化財を維持管理する担い手が不足していること、二つ目は保全には莫大な資金が必要であるということです。修理費用はもちろん、相続税や固定資産税の負担もかかってきます。維持管理の負担から行政に寄付するという動きも少なからずありますが、行政側も一定の補助は出せても所有する文化財は増えると維持・管理の費用をまかないきれず結果、貴重な建造物が空き家のまま放置されるといったケースが多くあるようです。

しかし、近年、歴史的建造物を保全・活用していこうという動きが出てきています。平成31年4月に改正された文化財保護法では、これまで保存のみの意味合いが強かった法内容から、文化財を活用しながら保存する方向に改訂されました。文化財を観光やまちづくり等の分野で活用していく傾向が高まってきています。

この傾向の中で、日本でユニークベニューという新たな歴史的建造物保全に向けた取り組みが動き始めていることを皆さんはご存知でしょうか。次章では、このユニークベニューについてお話します。

 

【参考記事】
保存から保存&活用へと舵を切る文化財 ― 背景にある日本の課題と、法改正によって引き出される地域の魅力とは ― – 國學院大學 
相次ぐ歴史的建造物の取り壊し…保存・再生のためにできること – NHK クローズアップ現代 全記録

 

 

ユニークベニューで歴史的建造物を未来へつなぐ

-ユニークベニューとは

では、ユニークベニューとはどのような取り組みなのでしょうか。ユニーク=特別な、ベニュー=会場と名の通り、「特別な会場」でイベント等を実施し、「特別な体験」を提供するという方法です。歴史的建造物・神社仏閣・城跡・美術館・博物館などの特別な会場で会議・レセプション・イベント等を実施することにより、特別感や地域特性を演出することができる取り組みです。

 

-日本のユニークベニューの現在位置

既に欧米ではユニークベニューはツールの一つとして主流となっているのですが、まだ日本では取り組みの認知度が低く、国内におけるユニークベニューに対する理解は十分とは言えない状況です。2020年には、文化庁が文化財を貴重な地域・観光資源として活用するための「文化財活用・理解促進戦略プログラム2020」を策定し、その中で「文化財をユニークベニューとして活用した文化イベントを積極的に実施する」というアクションプログラムを掲げ、取り組みを進めている現状があります。

 

 

-ユニークベニューとして活用するメリット

ユニークベニューとして歴史的建造物を活用することで、建造物所有者には大きなメリットがあります。建造物の認知度・知名度向上に繋がることは勿論、伝統を紡いできた歴史的建造物の魅力に気付いてもらうことで、その文化財の保存活動の機運上昇につながります。さらに、会場使用料等の収入を得られ、建造物に関わる資金の一部として運用することができる可能性もあります。訪れる側も、特別な会場で特別な体験ができ、文化歴史に触れることで知的満足を得る事ができ、ユニークベニューでしか得ることのできない経験をすることができます。特に、日本らしさを提供することができるユニークベニューにおいては、MICE誘致やその実施において需要があると考えられます。さらに、ユニークベニューの取り組みの後も、リピーターとして来訪者が再びその地域に訪れることでその地域の観光客増加に繋がり、地域の知名度向上、そして地域への経済波及効果が期待されます。

このように、建造物だけでなく、地域ブランディングの底上げも可能となります。ここで、ユニークベニューを考える際の重要な視点があります。それは、特別な場所(神社仏閣、文化財)を単に貸会場とするのではなく、歴史、伝統、これまで紡いできたものへの尊重心を持った保全・活用の取り組みであるということです。

 

【参考資料】

文化庁|文化財を活用したユニークベニューハンドブック

 

 

 

ユニークベニューズ・オブ・ジャパン

ここまで、ユニークベニューについて様々なことを知っていただけたことと思います。最後に、我々ユニークベニューズオブジャパンについて説明いたします。ユニークベニューについてもっと知りたい、実際に相談してみたいという方にピッタリのサイトとなります。ユニークベニューズオブジャパンは、日本全国から厳選されたユニークベニューの情報を一元的にまとめ、特別な場所で行うイベントなどの企画から、会場の手配・準備・当日の運営までワンストップでサポートしています。我々はユニークベニューの活用事例やノウハウを国内外に発信することでベニュー自体や地域のブランディングを向上させ、地域文化の継承に貢献し、持続可能な観光に寄与することを目指しています。

 

~掲載されている具体的な事例~


『平安神宮会館』:京都
目的:京都から世界へと成長したグローバル企業の創立50周年記念パーティ
収容:約100名


企業の節目を、従業員・取引先など関係者を100名以上招き京都らしいユニークベニューで盛大に祝うことを目的として開催されました。会場の決め手となったのは、企画から運営当日まで手厚いサポートがあるということ、京都で節目にふさわしい特別感があり、かつ100名以上でパーティができる場所であるということ、企業カラーがモチーフのお料理など、こだわりを表現できるオリジナルメニューを提供することができるということといった理由からでした。「平安神宮会館」に入った瞬間に広がる名勝・神苑、そしてこだわりの詰まった料理に感動し、多くの参加者が特別なひとときを過ごしました。


 

サイトの特徴は、歴史的建造物や文化財、神社仏閣など日本ならではのユニークベニューの活用を推進することを目的とした情報発信メディアであるということと、サイトに掲載するだけで手続きをワンストップで代行してくれるワンストップ窓口であるということです。ユニークベニューを正しく活用していくためにはクリアすべき課題や細かな取り決めが多く、手続きが煩雑になりがちです。現に、この手続きの複雑さが日本でユニークベニューがまだ普及していない原因でもあります。ユニークベニューズ・オブ・ジャパンでは、これらの煩雑な手続きをワンストップで代行で頼むことができます。

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